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俺が死んだら

 俺が死んだら。

 いったい誰が悲しむのだろうか。

 親、兄弟、知り合い。悲しむだろうか。

 余命を宣告されたときの自分はどう思っているのだろうか。

 そんなの死ぬことが怖くて仕方がないに決まっている。

 たぶん綺麗には死なないだろうな。

 だからひとつだけもしもそうなったお前に伝えたいことがある。

 お前の最も愛した、お前が中学の頃からずっと好きで、何度も何度も苦しい日々を送り続け、結局大学4年の大みそか間近になってもお前は愛し続けていたな。

 本当に大好きだ。大好きなんだ。諦める事なんてできなかったんだ。

 だから、お前はとっても悲しむ、もう二度と栞に逢えないことが辛くて、今までのふがいない自分に怒りを覚え、悲しみに明け暮れるだろう。

 今の俺は余命を宣告されたお前に声をかけてやることができない。

 凄く後悔や申し訳ない気持ちでいっぱいだから声がかけられないんだ。

 でも、お前はそんな俺にでも声をかけてほしいはずだ。それが本音だと思う。

 だから話す。お前は一昨日の夜2016年12月28日に地元に帰ってきた栞を誘ってドライブに誘ったよな。

 あの時の会話は今までの中で一番まともな会話だったな。

 お前の中でトップ3には入るくらい嬉しかった出来事だと思う。

 そんな時間も早く過ぎてしまうのが辛かった。このドライブがいつまでも続けばと思っていた。好きだと言いたかった。口で言ったこと今までなかったもんな。だから言ったよな。目も合わせられないし、ノリで言ってしまったけど、お前は間違いなくあの時本音を口で伝えたんだ。

 その時の栞は笑っていたよな。

 俺さ、思うんだ。

 どんな理由でしおりを好きになったのか。きっかけはあったにせよ

 栞を好きな理由なんてお前にはないはずだ。

 だってこんなにも栞を愛しているんだから。

 理由なんて野暮みたいなもんだろ?

 

 そんなお前が学生生活すべてを犠牲にしてまで愛し続けた彼女を、

 お前は諦めてしまうのか?

 

 本当はもっと生きたいんじゃないのか?もっと生きて栞と幸せになりたいんじゃないのか?

 四柱推命での占いは本当だったとか思ってるんじゃないだろうな?

 

 バカ野郎!目を覚ませ。

 

 お前はいつもそうだったじゃないか。どんなに周りから反対、否定をされても曲がらなかった男だっただろ。

 その結果、必ずお前は間違っていなかったと思うんだろ。

 

 そうだ。何も間違っちゃいないんだ。

 

 お前がしおりを他の誰よりも愛していること。

 

 お前が他の誰よりもあきらめの悪い男だってことを、俺は知っている。

 

 だから未来の辛そうな俺。

 

 お前の今抱えているどうしようもない、抗っても意味のないとされているその運命。

 

 その運命はお前のこれからの未来を否定しているぞ。

 

 安心しろ。お前は折れない。決して折れることはない。

 

 死なない。余命なんてない。

 

 お前のその諦めの悪くていつも抗っている自分を信じろ。

 

 そんでもって栞に告白。プロポーズしろ。

 

 わかっている。フラれたらとか失敗に終わったらとか思っているんだろ。

 

 安心しろ。今この記事を書いている俺ですらそう思っている(笑)

 

 だから俺を否定しろ。覆せ。

 

 お前が今どんな状況かはわからない。

 

 もしかしたら外に出れない状況かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 そんなの関係ない。

 

 

 

 飛び出せ。抜け出せ。

 

 

その病室から抜け出して今すぐ伝えて来い。

 

 栞が好きだってこと。愛している事。お前が今思っていること全て。吐き出せ。

 

 そして伝えろ。

 

    「もしもこの病が治ったら、ゼロから僕と付き合ってください。」

 

            「そして結婚してください」

 

 そしてお前は奇跡を起こす。

 運命の否定を覆す。

 

 そんでもって石川 栞さんとお付き合いをはじめて、結婚するんだ。

 

 どうだ?ってもういねーか。伝えに言ってるもんな。

 

 

 最初に戻す。俺が未来のお前に伝える言葉、声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぜってー負けねえぞ。相棒。」

 

                               第三十二部 完